MRI.COM OpenMP

気象研スパコン CX-2550 で自動並列に問題がありそうなこともあり、MRI.COMでは、OpenMPによる並列化(スレッド並列とベクトル化)の明示が推奨される。

使い方

コードを新規作成する際には、openmp指示行も含めて書く
- 可読性を壊してまでムリに並列化する必要はない
リファクタリング時には、既存のスレッド並列やベクトル化を壊さない
並列化されたかは、気象研スパコン CX-2550 における最適化レポートを参照する。ざっと見るには-opt-report=1が、なぜ最適化されないかを調べるには-opt-report=5が良い。
- gfortranの最適化レポートはよく分からない
omp simdによるベクトル化(CPUコア内の並列化)もできれば書く (OpenMP 5.0の規格)
!$omp の指示行は字下げが可能。Fortranコードに合わせて字下げしたほうが見やすい場合はそうする。
配列のコピーではomp workshareを使う
- 3行以上、続けてコピーする場合は、最外側のループで開いてomp parallel doで並列化する
  - omp workshareは ifortで実装されていない
  - OpenACCではdoループ+配列処理は対応できない。止めた方がいいかも。

スレッド並列では、モジュール変数は shared、サブルーチン内変数は private となるのがデフォルトの動作らしい
OpenMPによるSIMD
- 外側ループをスレッド並列化しているときにprivate変数の指定が不足していると、内側ループのベクトル化がなされない。
- 内側ループをアンローリングして、その1つ外でベクトル化してほしいときがある。内側ループのアンローリングが自動で行われれば良いが、そうならないときは1つ外側ループに !$omp simd を指示して、強制的にベクトル化できる。
- doループ内に関数呼び出しがあると、!$omp simdでもベクトル化できない場合がある。インライン展開の指示が必要か？
- omp declare simdによって「スカラー関数をベクトル化する」ことも可能らしい
doループの冒頭などでcycleで抜ける、いわゆるガード節は並列化にとって問題ないか？
doループ中の関数呼び出しはベクトル化等を妨げる。長いサブルーチンを分割する場合にはdoループを含めてまとめて移す？長大なループの可読性をどう改善するか