モデル実行中に問題が起こったとき

MRI.COMの実行中に問題が発生した場合の対処方です。

現象

以下のような問題を想定しています。

まずは以下を行います。

特に時間積分中に落ちる場合は、モデルの安定性を向上させます。

時間ステップ間隔を短くする
- 傾圧 nml_time_step - dt_sec
- 順圧 nml_barotropic_model - dt_barotropic_sec
- 海氷運動 nml_seaice_dyn - dt_seaice_dyn_sec
順圧タイムフィルターを変更する
- nml_barotropic_model - l_global_local_cnsv_ssh
移流スキームのリミッターを付ける
- nml_tracer_data - adv_scheme%limiter_som_Merryfield03
粘性係数
- 落ちやすい領域に背景水平粘性係数を与える nml_hvisc_add
地形
- 急峻な地形を取り除く
- partial_cell の比率の下限値を上げる
- BBLの調整　参考：気候情報技術開発資料
外力
- 海面応力に上限をかける nml_baroclinic - sfc_stress_limit_fact
  - モニター surface stress CFL でどの程度の制限をかければよいか調べる
- 極端に短い時間ステップでしか動かない場合は風速に上限を掛ける。
海氷の漂流速度が上限を超えたら、Rayleigh friction を課す
- nml_seaice_dyn - damp_vice = 1.0d-4 (Rayleigh friction 係数)
- nml_seaice_dyn - damp_vmax = 1.0d0 (1.0[m/s]以上の漂流速度になったら friction がかかる)
河川のスムージング
- 質量を保存するように、1. T点にある河川水を周囲４点のうち海のU点に仮に広げる。2. Ｕ点広げた河川水を周囲４点のうち海のＴ点に広げる。を２回ぐらい繰り返す

立ち上げ中や積分開始直後に落ちる場合は、設定が誤っている可能性が高いです。

入力ファイルをチェックする
- 面倒臭がらずに図を描く
デバッグモードで実行する
- nml_stdout - l_debug
出力項目を増やす
- テンデンシー項 NAMELIST.OGCM.MONITOR - nml_monitor - “temperature total tendency” etc.

なぜか結果が変わってしまった場合は、原因を探します。

MPIに依存して結果が変わるモデルオプションを外す
- 標準出力で「WARNING」をgrepしてMPI依存のオプションを探しだし、外して再実行
- WADJ
標準出力ログのdiffをとる
コンパイル時、実行時オプションを確認する
- 最適化オプション

コード自体がおかしい気がする場合は、コードを編集しバグを探します。